2020.01.15

トヨタ自動車が発表した「コネクティッド・シティ（つながる都市）」プロジェクト

トヨタ自動車東日本（本社・宮城県大衡村）の裾野市にある東富士工場跡地を活用する。

先端技術の集積により、県全体の産業活性化につながることが期待される。

 

豊田章男社長は記者会見で、「東富士に未来都市を造る。

研究者やエンジニア、科学者は様々な技術を自由に試すことができ、ゼロから街全体を造るのは千載一遇のチャンス」と訴えた。

 

ＡＩ（人工知能）などの最先端技術を活用し、あらゆるモノやサービスをインターネットでつなげる都市づくり。

道を完全自動運転の車向け、歩行者とスピードの遅い移動手段向けなど三つに分け、編み目のように配置する。

燃料電池や太陽光発電の活用で、温室効果ガス排出を徹底的に抑える。

トヨタが商用向けに開発を進めている自動運転EV「イーパレット」などを走らせる計画だ。

燃料電池を使った発電システムなど都市インフラは地下に置く。

居住者は車のほか、室内用ロボットなどの新技術を検証する。

Maas（マース、移動サービス）や人工知能（AI）の開発にも活用していく。

少子高齢化や人口減少に伴う地方都市の課題をＡＩ、ロボット、自動運転などを駆使して解決する構想だ。

交通弱者対策、介護や農業の自動化といった研究開発を担う企業の誘致を目指そうとしていた。

 

こうした中でのトヨタの発表は、市にとって願ってもないことだった。

住人は、トヨタやパートナー企業の従業員たち約２０００人を想定しており、人口増による地域の活性化も見込める。

市長は「世界でも類をみない計画は意義深い。トヨタの実証都市と連携しながら、成果を市全域に波及させ、発展のきっかけにしたい」と、強い期待感を示した。

 

トヨタ自動車東日本東富士工場（同市御宿）跡地は都市計画法の用途地域として、

住宅設置が認められていない工業専用地域に指定されているため、

市はトヨタから計画の詳細を聞きいたうえで市の計画との適合性を確認し、用途変更を判断する。

住民説明会や公聴会、県との協議を経て、都市計画審議会が承認すると住宅の建設が可能になる。

 

トヨタの新しい取り組みは今後の未来構想に大きく影響を与えそう。